たちまちWASABI

NYC郊外暮らしラプソディ~アートと自然と一緒に

アゲハ4姉妹兄弟の誕生は安産なり

今日は我が家のアゲハ蝶の話を。。。

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もう7月も終わりですね。
ちょうど1ヶ月前、6月の終わり頃、お勝手口外のプランターに植えたパセリに、例年のごとくアゲハ蝶の幼虫を発見しました。
生まれてすぐは黒っぽいけど、じきにイエローグリーン×黒の体になり、刺激すると頭からV字の角を出すやつです。

見つけたのは4匹。
息子にも幼虫→サナギ→蝶に変化する様子を見せてあげられればと思い、プラスティック容器に移して家の中で観察することにしました。エサにはパセリをあげながら。

目につくように、キッチンのアイランドカウンターにおいて、爪楊枝で小さい穴を開けたラップで蓋をして。
4匹とも食べる食べる。。。
夜寝る前にパセリを補充しても、翌朝にはすっからかん。食べ物を求める本能って凄くて、何をどうやったのか、被せたラップの蓋をうまくかわして容器の外に脱走し、朝私がキッチンに行くと、2匹が床を這っていた!(誤って踏んづけなくてよかった!)なんて日もありました。

体も数日でぐんぐん大きくなります。
容器が窮屈になったので、大き目のガラス瓶(ゆず茶の瓶)に引っ越しさせて、そのうちやってくるサナギ時期に備えての小枝も、夫がいっしょに瓶に入れてくれました。

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4匹そろってパセリを食べ続けていたのは3日間くらい。
やがて、そのうちの1匹がガラス瓶の底でじぃ......っと動かなくなり、サナギ1号に。
他よりも少し小さめな1匹だったので、動きが鈍くなった時は少し心配しましたが、じきにサナギの形になり少し安心しました。

続いて、瓶に入れた小枝に捕まったまま動かなくなった1匹がサナギ2号に。
"糸一本"で見事に体を枝に引っ掛けて、変身の準備に入りました。

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その後、サナギ3号も枝にぶら下がって定着。
残る最後の1匹は、瓶の底に横たわってサナギ4号となりました。

数日間、四六時中パセリを食べてばかりだった幼虫も、サナギ準備に入り動かなくなる時は、まだ動き回っている幼虫がお構いなしに体に触ってきても、自分は体を一瞬ピクッピクッと"しゃっくり"のように動かすだけで、既に変身準備に集中している様子がおもしろいものだと思いました。
あれだけよく食べていたのも、変身にむけての準備なのですね。

サナギの中では、体の組織を一旦溶かして崩して、持っている遺伝子情報に従ってその溶けた組織を蝶の体に構築しなおすという作業が行われるそうです。
人間の感覚からすると、一旦生まれたものがそんなふうに姿を変えるなんてSFのようなプロセスです。


数日かけて順にサナギになった4匹。
懐かしの名作劇場若草物語」に例えて(古い?他に思いつく4人がおらんかった)、1号:メグ、2号:ジョー、3号:ベス、4号:エイミー、としましょう。

4体には個体差も見られました。
瓶の底を選んだメグとエイミーは、サナギの色が薄い緑色。
枝に下がったジョーとベスは茶色です。

底にいた2体のうち、とくにメグは日に日に白っぽさを帯びてきて、心なしかサナギも一回り小さく縮んだように見えたので、もしかして底にいる2体はサナギと変身に失敗したのか...と、心配になった私。
まだ見ぬ姿を待ち望む妊婦のお腹を眺めるように、キッチンに行く度に静止のサナギ4体を観察していたので、変化がとても気になったのです。

「サナギになれても、羽化できず終わるものもいるからね...(しみじみ)」と夫。

サナギの色の違いについては少しググッてみると、茶色いものもあれば薄い緑のものもいる、と。
色の違いに問題はないようなので、あとは羽化の時まで見守ることとしました。


それから1週間ほどだったかな...
気が付くと、色白だった瓶底のメグが、急に黒っぽい!
「サナギに変化が起きている!まだ死んでない!(たぶん...)」
2日程かけて更に黒くなっていったメグ。

ある日、いつものようにランチの準備をしながらキッチンで4体をチェック。まだみんな静かなままね...と、キッチンからランチを運んで食事。
ランチ後に洗い物にキッチンに戻ると、、、

メグ誕生!!!

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ピクリともしていなかったのに、私達がご飯食べてる間に蝶の姿になっていました。

羽化したての羽は柔らかくて、とろん...としていて、本当にベルベットの質感。
(夫の腕上の画像で失礼します)
この真っ黒な羽の色がサナギの外に透けて見えていたのか...と思いました。
黄、オレンジ、青の模様が、漆黒の羽に映えて美しくてウットリ♪

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お勝手口外のプランターに、そっと放しました。
ここで飛べるまでしっかり準備して、元気に発っていっておくれ。

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まさにメグの「抜け殻」が残ったゆず茶の瓶には、あと3体のサナギ。
再び観察を続けた数日後の朝、再び朝食後の片づけにキッチンに戻ると、、、

ジョー誕生!!!

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なぜか蝶のことを「バタフライチョウチョ」と英+日名のコンボで呼ぶ息子。
間近で見る羽化したての蝶には、もちろん興味深々です。

今回は私達が朝食をとっている短時間での羽化完了。
「サナギが動いて...割れた隙間から出てくる...」みたいなその瞬間はなかなか捕らえられないものですね。。。

ジョーも、お外のプランターへ。しっかり飛んでいくんだよ~♪

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そしてまたその翌日のこと、順に沿って、、、

ベス誕生!!!

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朝起きてキッチンに行ってみると、瓶の中に黒いものがハタハタと動いているのを発見。
ベスは早朝に羽化していたようです。
まだ瓶の中にとどまっていて、その姿を見せてくれてよかった♪
息子もまた、そーっと観察👀

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真っ黒な上に、鮮やかな色の粉を「ふっ」と吹いて散らしたかのような模様が、とってもキレイです。
自然にこんなカラフルな模様がつくなんて本当におもしろい。

ベスも、そっとお外へ。

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さて、抜け殻が3つになった中、瓶底で静かに動かないエイミーのサナギ。
エイミーもその色が黒くなっていたので、羽化する日も近いのだろうと思っていました。
ベスを外へ放ったあと、朝食とその洗い物も済ませ、家の中をひととおり掃除してキッチンに戻ると、、、

エイミー誕生!!!
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末っ子エイミーは、ベスと同じ日の掃除中に羽化しました。

ほんの気持ちほど、ほかの子達よりも小ぶりでシャープなような...
でも、手に乗せるとさっそく行ったり来たりとはい回り、元気に動いていました。

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先に羽化したベスがまだプランターで時を伺っていたので、その近くにエイミーも置いてあげました。
敵に見つからないように、葉っぱのかげにかくれるようにして。

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うちの虫好き(夫)によると...
羽化した蝶は、しばらくこうして体を45度傾けた角度のまま羽を下げ、サナギの中で畳まれていた羽に血液を送り続けるのだそうです。
体は絶え間なく伸縮してポンプの要領で羽の隅々まで血液を行きわたらせようとしています。
血液が届き、羽が完全に開いたあとは、羽を乾かします。
こうして羽の準備を整えてやっと飛び立って行きます。
中には、上手く羽が開かなかったり羽が完全でなかったりで飛び立てないものもいるそうなので、羽化できた蝶がみなヒラヒラと元気に飛び回れるわではないようです。

我が家にいた4匹は、どれも順調に羽を広げていたので、元気にどこかを飛び回っているといいな。。。


さて、今回我が家で観察した蝶は、アメリカではBlack Swallowtail と呼ばれています。
そのまま訳すと「クロアゲハ」だけど、日本語で言うクロアゲハとはちょっと違うっぽい。
学術名で訳すと、日本語では「メスクロキアゲハ」という蝶のよう(?)です。

www.pteron-world.com


こちら↓のサイトによると、羽を広げた時の背中側から見た模様が、黄色がより大きくはっきりしていて青い部分が少ないのがオス、その反対に黄色が控えめでより青い模様がはっきりしているのがメス、だそうです。

wimastergardener.org

我が家の4匹の画像を見る感じだと...
黄色が大きくはっきりしていたメグはオスかも。小ぶりに見えたエイミーは黄色が控えめで青が大きそうだったのでメスなのかも... しれません。


今回は、夏休みの自由研究ならよいお題になりそうな、『アゲハ蝶の観察』を息子と一緒にできて良かったと思っています。
1年に1回、この時期ならではのことなので。

4匹いれば、1回くらい羽化して蝶が出てくる瞬間を目撃できるか....と思ったけど、これにはもっと運が必要でした。
4匹が羽化していた頃、このブログでちょうど「アメリカ出産思い出話①~⑩」の投稿を書いていた私は、「人のお産もこの蝶たちの羽化のように30分足らずで完了ならどんなに楽だろうか...」なんて思ってしまいました。

来年もまたうちのパセリに蝶がやって来てくれますように♪

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