たちまちWASABI

NYC郊外暮らしラプソディ~アートと自然と一緒に

いつものバスの、いつものメンツの、いつもの光景

いつもの通勤をする場合、私の定時は帰宅時間が一般的な「帰宅ラッシュ時間」よりも少し早め。
職場から駅までのバスも混んでおらず、載っている人もちらほらのかんじ。
なので、その分いつも乗っている人の「顔」がわかり、だいたい同じ時間に帰宅する「いつメン」というのが存在するため、バスの中では「おつかれー!」「やっと帰れるぜー!」的なかんじで、いつメン同士が挨拶と会話を交わしたりしている。

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外出禁止令が出るずっと前のある日、
そんないつものメンツといつものバスに乗っていた時のこと...

 

何やら見かけない女性客が一人。しきりに席を立ってバス運転手のところまで行っては何かを一生懸命話していた。

言っている内容はよく聞こえなかったけど、様子からするとおそらく、誤って行先の違うバスに乗ったか降りるバス停を訪ねているか、というかんじ。

 

それだけならよくある事で気にしないのだが、、、それにしても、何度も席を立ってあれこれと運転手に話しかけては、あーでもないこーでもない、と言っていたのでコチラとしても気になった。

まさにバス停毎に話しかけに行くものだから、その度にバスは停滞し、なかなかスムーズに発車できない。毎回の話も長ーーーい。
何度説明しても話が終わらないし席にも戻らないその女性客に、運転手さんもかなりイライラした様子。
私は「事情は分からんが…ちょっとバス止めすぎだよぉ」と思いながら見ていた。

 

そのバスはスケジュールもよりもずいぶん遅れて走っていた。(この女性客のせいだったのかどうかは分からないけど。)

バスの終点である電車の駅まであと停留所3つくらいのところで再び女性が運転手にあれこれ言いにいった時、さすがにいつものメンツは黙っちゃいなかった。

 

「電車に乗り遅れるじゃないかー。」

「何回バス止めたら気が済むんだよ、自分一人のおしゃべりのために。」

 

すると、(バツが悪くなったのか…)女性はちょうどそのバス停で下車。

そして今度は、降りた目の前にいた、そのバス停からバスに乗り込もうとしていた別の男性客(これもいつものメンツの一人)に、「私ここで降りちゃうわ~♪ところでアナタ教えてくんない?」とお構いなしに話しかけ始めた瞬間、乗車口ドアが開いたまま停車していたバスの中のメンツが、ドアの外に向けて一同に「いいかげんにしろよー!」と口を揃えた。

 

バスに乗り込もうとしていたいつものメンツの一人である男性客もそれに気づき、「おぉ、悪い悪い。どうしたんだよみんな。」と足早に乗り込んできた。

車内は「お前じゃないよ~、降りた彼女の方に行ったんだよ、ホントお喋りが止まんないもんだからさ!はははーっ!運転手さん、駅まで頼むぞー!」

 

車内は一気に和やかなムード。

そして駅のバスターミナルに着くと、みんな「Have a good night!」「I’ll see you tomorrow♪」「Take care!」とお互いとバス運転手への挨拶でバスを後にし、各々の電車に向かって行った。

 

このバスの件に限らず、こういう公共の場で限度を超えた行動をとる人に対して周りが声を上げることはよくある。
それは「間違ったことは指摘しなければ」なんてことではなく、「おい、迷惑だ」というシンプルな理由でそうするのだと思う。
私はまだまだ小心者過ぎてこのバスのメンツのようには振舞えないので、度を超えた迷惑のモトがこんなふうに退治される様子を見ては、その傍らで「痛快」な気分にさせてもらっている。

「言いたいことははっきり言う(口は悪いけど)良いも悪いも正直に」なところは”ニューヨークシティ辺りのメンタリティ”とよく言うらしいのだが、私は嫌いではない♪


・・・なんて、しばらく会っていない”バスのいつメン”のことをふと思い出した今日。
彼らの顔を見なくなってもう一ヶ月以上。
みんな元気にしているかなぁ。。。

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